《教科書謝礼問題》新たな教科書採用過程への国家介入、児童生徒への思想統制

教科書謝礼問題について、東京書籍も謝礼を支払っていた、というニュースが出ている。
f:id:pikoameds:20160109174833j:image

この〈教科書謝礼問題〉については、何回か、取り上げている。
この問題の本質は、国家による教育統制の深化だと捉えるべきだ。
教科書採用のプロセスに現場教員の意向を全く排除する方法だ。しかも教育内容や教科書の内容そのものの統制ではなく、「自由競争」ですでに出させておいた、右派系、国家中心主義の教科書を「うまく・揉めることなく」滑り込ませる方法だ。
だから以前のように検閲ないし検閲まがいで表現の内容に入り込まない装い。(例えば、家永訴訟の場合とは違う。)
「営業活動の公正・公平」という表現の流通の方法の問題として、表現の自由に関する憲法問題にもなりにくい、いわゆる営業活動の公正という、巧妙な形で攻めている。

現在の憲法論はこのような正面からの自由権制限でないものには、弱い。それは、表向きの制限目的を重視するからだ。しかし、権力は、本音の狙いをうまく隠して別の目的を出して、規制をかける。
反対する人に対しては、「うちらは、そんな酷いこと、考えてもおりません」と言って知らぬ存ぜぬで権力の目的を達成する。官僚や資本家・経営者のお仕事はどれだけ巧妙に言い繕い、真の目的を実現するかだ。


さて、産経新聞の以前の記事を下に転載しておきます。


2015.4.7 05:02
【主張】
教科書検定 偏向是正を授業に生かせ

 来年4月から使われる中学校教科書の検定結果が公表された。

 教科書編集の指針となる検定基準が改正され初めての検定である。日本の領土や歴史について他国の主張ばかり強調する偏向した内容の是正が進んだことを評価したい。実際の授業に生かしてもらいたい。

 新検定基準では、政府見解や確定判決を踏まえることや、見解が分かれる事柄はバランスよく取り上げることを求めている。こうした当たり前のことが守られず、どこの国の教科書か分からない記述が少なくなかった。

 国益にかかわる日本の領土に関しても、これまで竹島尖閣諸島について「日本固有の領土」とはっきり書かない教科書があった。今回は申請段階から日本の領土として歴史的経緯も含めた記述が大幅に増えたことを歓迎したい。

 竹島については、地理、公民のほとんどの教科書で韓国により不法占拠されていることが明記された。……不法占拠に言及しない教科書が多かった。教師も、領土の歴史を含めて、生徒に分かりやすく教えてもらいたい。
 戦後補償問題では、……

 新検定基準に対し、国の規制が厳しくなったなどとする批判はあたらない。子供たちが学ぶ教科書は執筆者や編集者らの一方的な考えを披露する場ではない。ことさら日本をおとしめるような編集姿勢こそ見直すべきだ。

 中学では現行で慰安婦について記述した教科書はなかったが、今回、慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話を一部要約して取り上げた教科書がある。教育現場にも禍根を残す河野談話の見直しは欠かせない。

 夏に向けて各地の教育委員会で教科書の採択が行われる。前回4年前の中学教科書採択では、自由社育鵬社の歴史、公民教科書に対し、「戦争賛美」などと決めつけた反対運動が起きた。内容を誤解、曲解した批判である。

 自分の国について深く学べる教科書を見極めることが重要だ。

 



自衛隊への評価、記述増 災害派遣、国際貢献…』
2015.4.6 19:16

 文部科学省が6日に検定結果を公表した中学校の教科書では、これまで憲法違反とする意見を強調するなど否定的に伝えることが多かった自衛隊について、東日本大震災などの災害出動や国際貢献で高い評価を受けている事実を紹介する記述が目立った。

 「国内外の災害時の支援活動においても、大きな活躍をしています」。教育出版の公民教科書では、現行では「自衛隊文民統制」とした項目を「自衛隊の役割と存在をめぐって」に変え、こう評価した。さらに「今後自衛隊が力を入れていくと良い面」として、1位「災害派遣」、2位「国の安全の確保」などとの結果が出た平成23年の内閣府の世論調査を掲載した。

 別の項目では、これまでの自衛隊の海外活動を地図付きで紹介。「国内外の災害派遣や平和維持活動において、その活動の成果が評価されています」とし、「自国の領土をしっかりと守りながら、世界の平和の構築や国際貢献をさらに進めていくためには、今後の日本の平和主義や自衛隊のあり方を、どのように考えていったらよいのでしょうか」と問いかけた。

 編集担当者は「東日本大震災や海外への災害派遣での活躍で自衛隊への関心が高まった」とした上で、「これまでは憲法の平和主義について、理想的な面を中心に記述してきたが、集団的自衛権や積極的平和主義の議論など、現実をもう少し意識する必要があるとの観点から、再構成した結果、自衛隊の記述が増えた」と説明する。

 東京書籍の公民は「東日本大震災といった自然災害などのときに、国民の生命や財産を守る災害派遣も、自衛隊の重要な任務の一つです」と記述した。編集担当者は「震災で自衛隊災害派遣の役割の大きさが改めてクローズアップしたため」とした。

 帝国書院の公民も「東日本大震災の復旧・復興支援などでも大きな役割を果たしました」と記述した。編集担当者は「震災での活躍が注目され、自衛隊の見方を変えた面もあるので、掲載するべきだと判断した」と説明した。

広告を非表示にする