〈尖閣諸島防衛構想〉を批判する ⑵

3/28から公式に〈尖閣諸島防衛構想〉が発動されます。
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(昨年11/25「読売新聞」1面。一部切ってあります。)

この点につき3/24の私の記事の続きとして書きます。
👉 〈尖閣諸島防衛構想〉を批判する⑴ 

昨日は米国《Defense News》の『Japan Extends East China Sea Surveillance(日本は東シナ海に監視活動を拡大している)』という記事に関して書き始めたところだった。

《Defense News》
『Japan Extends East China Sea Surveillance(日本は東シナ海に監視活動を拡大している)』という記事の概要をまず紹介する。


1、まず、興味深いのは、尖閣諸島が日本の領土だと米国サイドが「認めていない」ことだ。この記事の中でも、despute between Japan and China となっている。
米国は公式には「尖閣諸島の領有権紛争問題」につき、現時点では中国と日本のいずれの「肩」も持たない立場だ。
その理由はおそらく次の2点。
⑴ もし〈日本の主権の及ぶ範囲〉について米国が「新しい見解」を示せば、《戦後体制》(一部の人たちの言う「ヤルタポツダム体制」)を壊すことになり、米国が自己の積み上げてきた《戦後体制》を崩壊させ世界資本主義のあり方を自らの手で壊すおそれがあるという判断であろう。
⑵ そして、この局地的(地域)紛争を日中間でやらせておくことが、米国の安全と利益にかなっているという大局的判断だろう。

2、具体的に記事の内容に入る。
⑴ この記事では、3/28から新しいレーダーシステムが稼働するということが述べられている。

⑵ そして駐米防衛武官の山本雅史「大佐」(Col.と表記されている。)の発言を引用しながら、自衛隊の動向を書いている。山本雅史「大佐」の発言を引いておく。(私が気になるポイントだけ)。

❶中国の船舶は時に、尖閣周辺の12海里に近づき、しばしば200海里の経済水域に入ってくる。
    中国海軍、沿岸警備隊が上陸した証拠はない。しかしfishermenが上陸している。
    だから 今後侵入のおそれがある。
❷監視施設に陸自150名、奄美に600名の警備隊を置く。
❸もし日本が尖閣諸島に部隊を置いた場合、それは、緊張を高めるものだろう。我々は緊張を高めたくない。しかし与那国島には1,800人が住んでいる。与那国島から尖閣諸島を監視するネットワークを広げていく。
❹監視ネットワークはphase0
    phase1は、歩兵、機動戦闘車両の導入
    phase2は敵に占領された諸島を海上自衛隊が奪還することができるようにすることだ。

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3、自衛隊(防衛省)のシナリオは、中国軍尖閣諸島に上陸する恐れがあるからそれを監視し、もし上陸したら機動車両で上陸し奪還するというものだ。それを日本の駐米防衛官が米国(米軍)関係者に話してあるっている。
既に述べたが、このような部分戦闘を想定することに意味があるのだろうか?中国軍尖閣諸島だけを占領しにくるのだろか?本当はこの戦略の意味を検討する必要があるだろうが、とりあえず必要はない。なぜなら損得勘定を見ればわかるからだ。中国は得をしない。部分戦闘論は意味がないだろう。
もし、戦争になるなら全面戦争以外にない。しかしそれは中国にとっても望むところではないはずだ。
その状況の下でまずなすべきことは、中国との間での信頼醸成措置の形成だ。例えば、相互訪問の充実、近海通行の場合には相互通告(目的地・目的の明示)、今までも相互交流はやっている。そして尖閣諸島の領有権問題は棚上げを継続することだ。
このような考えに対しては弱腰、あるいは売国とのレッテルが貼られて否定的意見の嵐が待っている。だがそれでもこのような方向性で行くべきだと私は思う。日本国民は軍事的衝突をしても抑止力理論に基づいて行動しても「得」はない。