今度の米国の大統領選挙は、共和党・トランプ(59)vs.民主党・ヒラリー・クリントン(68)で争われることが、ほぼ決まった。
この大統領選挙に関し、春名幹雄・早稲田大学教授(国際ジャーナリスト、元共同通信社副編集長、1946年生)が興味深い論稿を書かれている(5/30付け読売新聞、『思潮』欄)。『米大統領候補 低い好感度』というタイトル。
私が興味を持ったのは、クリントンが軍需産業から多額の選挙資金を受取っているということだ。
トランプは外交軍事政策形成について一貫性がないと共和党主流派から嫌われ批判されている。孤立主義から冒険主義に揺れているという。選挙資金に10億ドル(約1100億円)必要とされるが、その調達の見通しは不明だという。共和党に今まで巨額の資金提供していた50人以上が資金提供を拒否しているそうだ。
これに対して、クリントン陣営はどうなっているのか。
外交政策ブレーンは「推定数百人。そのネットワークは最強の兵器」。オバマ人脈の一部も引き継ぐ。イデオロギー的にはタカ派からハト派まで。オルブライト元国務長官やパネッタ元国防長官らベテランから若手専門家に至るまで。分野別に12もの作業グループを持つ。また、トランプ嫌いの共和党保守派の一部から「クリントン氏は保守のホープ」と支持表明もされている。共和党の元大統領候補のスタッフらもクリントン支持だという。
選挙資金集めは順調だ❗️。クリントン氏は今やタカ派で、軍需産業界からの献金額は今年2月末までの14か月で約45万ドルと両党の予備選立候補者で最も多かったという(民間調査機関「公共倫理センター」4月16日発表)。
アメリカ合衆国の国家意思決定において《軍事と産業》が強く結びついていることはよく知られている。アイゼンハワー大統領が軍産複合体という言葉を演説で使ってから、米国政治を考え世界の軍事を考える上で、特に落とすことのできないキーワード(視点)になっていると思う。
その観点から見ると、今クリントンは軍事産業の発展振興の推進者であると言える。《すわ、女性大統領誕生》なんて期待すると、軍産複合体による《女性活用》になるのがオチか?
軍需産業の代表格のロッキード社のmissile。Lockheed Corporation - Wikipedia, the free encyclopedia(2日前にも更新されている)