石垣島沖での日米印軍事演習と中国

日本海自衛隊、米国海軍とインド海軍の合同演習「マラバール」が10日始まり、長崎県佐世保市佐世保港にインド海軍の艦船4隻が入港した。14~17日、沖縄東方海域で演習が行われた。
「マラバール」は、米印両海軍が1992年からインド洋や日本近海で実施。日本は2007年に初めて参加。3カ国合同演習は3年連続5回目。海上演習には、海上自衛隊のヘリ搭載型護衛艦「ひゅうが」や米海軍の原子力空母ジョン・ステニスなど3カ国の艦船計11隻、約8千人が参加し、戦術全般や捜索救難などで連携を図った。 (防衛省HP、西日本新聞時事通信などを総合した客観的事実)。
その合同演習中に中国艦船が近づき情報収集を行った。
日本の主要新聞・讀賣新聞は、日本、米国海軍、インド海軍が合同演習を行って中国を挑発していることを無視して、中国艦船が突如、何もない状況にも拘らず日本の「領海」を一方的に「侵犯」したという報道をしている。
そこで、この問題について、先日に引き続き、述べておきたい。

『中国海軍情報収集艦船が、沖縄・石垣島沖で行われている日本海自衛隊、米国海軍、インド海軍の合同演習中の海域に接近し、その後、インド海軍艦船を追跡中に日本領海に入った件』について、私は述べました。

中国海軍の情報収集艦船、海自・米海軍・インド海軍合同演習中の海域に接近〜そのプロセスで日本国領海に入る。 - かえる日記


この記事に対して爽風上々のブログさんがコメントを寄せてくださいましたので、まずここから始めます。

爽風上々さんはつぎのようにご指摘になっています。(数字は便宜上、私が振りました。)
「❶ 言うまでもなく、南シナ海の中国領と称する島の周辺ではアメリカ軍が示威行動を繰り返しています。
❷ 一つ思い当たりましたが、日本が集団的自衛権行使を公言し始めたための中国側の対抗処置かもしれないという気がします。

❸ 日米の集団的自衛権行使ということはこのようなアメリカ軍の戦略的行動に巻き込まれるということなのでしょう。」

非常に的確な指摘ありがとうございます。私の上記の記事の不十分部分を補って頂きました。爽風上々さんがメッセージを寄せてくださった折角の機会ですので、現在の(軍事的)状況に関する私のイメージを以下、補充的に述べたいと思います。

1 まず、アメリカ合衆国の支配層の視点で世界を考え、その世界戦略を確認します。

 

jp.wsj.com

米国支配層は、ワシントン・ニューヨークを世界の中心と捉え、そこから経済的・社会的・政治的ネットワークが世界中に広がり、同時に軍事的にその経済的ネットワークを守っていく、というイメージを持っていると思います。ニューヨーク・ワシントンから見た西の果てに太平洋・アジアがあり、そのネットワークの外縁=果て(辺境)にアジア太平洋地域・日本がある。さらに自分たちの支配の及んでいる、その外縁の向こう側に中国がある。中国はいま、自分たち(米国支配層)の直接の影響・支配の外側にあるから、中国との間で根本的な対立・紛争(=戦争)が起こる可能性がある。そのような衝突(軍事的衝突)に備えて、米国は日米安保体条約を堅持する。日米安保条約は結局、米国がアジアを軍事的に「支配」する=自分たちの領域にするための同盟関係だ、だから、絶対放棄したくない死活的生命線だ、という認識・イメージを持っている、と思います。アメリカはそのようなイメージの中でアジア・日本を捉えている。

そのイメージ・認識の下で、米国は具体的に軍事上、第七艦隊を維持し、三沢・厚木・岩国・沖縄で空軍や海兵隊を持つ。そして外縁の外(=具体的には中国、ソ連(現在ロシア))に圧力をかけ抑止力という想像力と現実の武力で経済的支配(資本主義的支配)を貫いていく。
この構造(世界イメージ)は、ソ連崩壊後も基本的に変化ないと私は理解しています。その理由は、資本主義の世界が狭まりその維持が困難になっていることは、ソ連崩壊後も変わりないからだと思うからです。(例えば、爽風上々さんのご指摘の『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫著参照。http://sohujojo.hatenablog.com/entry/2016/06/15/063000。ただ資本主義社会の利潤率が低下して総資本の取り分が低下しているというだけで資本主義システムそのものが直ちに崩壊するという状況にないと私は理解しているます。)。とすると現時点では、今まで以上に外に「進出」してくる「中国」を抑え自分たちの勢力圏を維持するのにアメリカ(支配層)は必死になっていると思います。それが現時点の米国の姿であり、アジアでの日米安保体制=日米軍事同盟、さらに日豪・米豪の軍事同盟、そして日本の石垣島周辺での今回のインドも交えた軍事同盟の共同演習だと思います。第七艦隊や日本の海上自衛隊、インド海軍、さらに、おそらく別の韓国国内問題があるので、表向き今回の軍事演習には表向き参加していない韓国軍の動向も合わせて注視するう必要があるでしょう。

2 この構造を中国サイドから見ると、この構造はどう見えるか?
中国サイドからは、自分たちが圧迫されていると感じている。自分たちの経済的豊かさや拡大を望んでいない米国、日本、韓国、さらに世界資本主義が攻撃を仕掛けている感じているのは必定です。もちろん19世紀半ばから、中国は世界中から食い物にされ、植民地主義の苦しみを味あわされている。例えば、アヘン戦争、フランスの租界、香港の英国支配、英国・米国・日本による遼東半島での鉄道利権の奪い合い、日帝の「満州」支配というものを中国人は忘れていないだろうし、忘れられないはずだ。南京での血生臭い殺戮も。また中国人民からすれば、そのような帝国主義支配は許せないし、中国自身が自国民の保護・安全を図るのは当然だ。
その観点からすれば、今、中国は、自分たちの「国」の鼻先で、脅しを掛け、「抑止力」という名の支配の行使〜米・日本・インドの共同軍事演習に対して、情報収集艦船を送り、米・日・印の軍事的動向を把握し対策を立てようというのは極めて当然です。その中で、「無害航行」をして日本領海内に入ることは、中国からすれば、全く当然の行為(軍事的・防衛的行動)だ。中国海軍が「自国防衛のために」情報収集艦船を派遣した理由は私は、よくわかります。


3 最後に日本人民、中国人民の立場に立って、今回の中国海軍の情報収集艦船派遣と領海「侵犯」問題について考えます。(ここで私が「中国人民」というのは、中国共産党とは一線を画した別の観点からです。私は「中国の普通の庶民、農民、労働者」を意味します。一応、中国共産党がこの人民を代表していると言われていますが、果たしてどうでしょうか。正直私は現時点で判断を保留します。)
⑴ 私は、まず、日本人・日本国民(人民)として、軍事社会を望みません。支配・被支配の関係が少しでも薄まり、偉そうに、年寄りは死んだ方がマシ、みたいな発言をする後期高齢政治屋=利権屋を退場させたい。
⑵ アジア、世界で非軍事化が進むことを願っています。その一環として、この無力なブログを更新して、日本支配層に反対の意思を示しています。
⑶ とりあえず、日中間で(軍事的)信頼醸成措置を取るように、日中政府、日本人としてとりわけ日本政府に要求します。
また、日米軍事同盟の破棄(日米安保条約10条)ができるような状況を作りたいと考えています。
日米印の石垣島沖での軍事演習に反対です。これをしないという選択肢は、あったし、ある筈です。
⑷ 夢のような話ですが、日本国家主義者、帝国主義者には笑われますが、一衣帯水の日中間の海を平和の海にさせたいと思います。
⑸ その為には、中国人民にも頑張って欲しいと思います。覇権主義、支配権獲得の政治・外交政策をやめ、米国人民と張り合い、日本人(特に日本人民)に敵意を植え付ける政策を放棄し、世界平和と共存の政策を作りたい、真に中国人民の利益になることを行うように要求します。日本人民も頑張ります。しかし中国人の諸君の人民的利益の実現は非常に大事です。とても困難な道です。

⑹ 中国人民には、まず、今回の中国海軍の情報収集艦船派遣とその根拠を示してください。日米の「集団的自衛権」及び日米印の石垣島沖での軍事演習に反対し、まやかしの防衛=軍事同盟政策に私は反対するし、中国人民も非軍事的方法で共同することを希望する。

 

中国艦、領海侵入した日に日米印の共同軍事訓練で米空母を追尾 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

日米印、共同海上演習始まる=「同盟関係向上」と米第7艦隊-中国けん制も・佐世保:時事ドットコム

日米印が海上共同演習へ=沖縄周辺、中国軍けん制-海自:時事ドットコム

 

 

 

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