〈新しい「改憲」論〉『憲法の現代化』論にどう対応するか。

最近、日本国憲法「改正」論者の中で、『憲法の現代化』という主張がされている。この『憲法の現代化』という主張は、かなり多くの憲法研究者が賛同している(と思われる)。また、世論もかなりこの考え方に沿って形成されていると思われる。例えば、『讀賣新聞』などはこの典型だろう。東浩紀氏、乙武洋匡氏、夏野剛氏、堀江貴文氏らはこの流れの中にいる。

 

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おおさか維新の会の橋下徹氏、自民党から参院選に立候補して選挙カーを「転覆」させてしまった青山繁晴氏らは、旧来の『復古調の自民党改憲派』とこの現代の改憲派憲法現代化』論の、謂わば架け橋になっている。

 

 

他方、旧来の『復古調の改憲派』は、このグループ唯一の「憲法研究者」百地章氏(日本大、国士館大教授)、渡部昇一氏、安倍晋太郎自民党総裁稲田朋美自民党政調会長日本会議(櫻井よし子氏、自民党のいつものヒトビト)だ。このグループも、改憲ができるなら、『現代の改憲論』=『憲法現代化』に乗り換えるのは全くやぶさかではない、という主張だ。マスコミでは、サンケイ新聞・フジテレビ・芙蓉社などがこれに属する。また幸福の科学(大川隆法氏)の系列に属する『幸福実現党』のグループも自主防衛・核武装を主張し『復古調』と『現代化』推進の先兵となり安倍政権と協働している。

 

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これが私が現段階で理解する、大雑把な改憲勢力の実情・地図だ。

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『復古調改憲論』は、「天皇を元首に」とか、日本自主武装(核兵器武装)できるように憲法9条・平和条項の破棄、「個人の尊重」(13条)は人権のインフレだ、義務規定を増やせ、国民は国家の一員であることを自覚せよ、内閣の権限強化(65条)、国会の棚上げ(41条以下)という主張だ。
一言で言うと、相手にするのがバカバカしくらい反動的で、軍国主義的だ。古い日本帝国主義者が考えそうな復古調の改憲論で、理論的にも、国民の気持ちから見てもも、お笑いショウ(笑/小/衝)劇場だ。「エノケンか、のらくろ伍長か、櫻井よし子さん」、とイヤミの一つも言いたくなる。だからこの『改憲論』に乗ってくるヒトビトは比較的少ない。

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 そこで『新しい改憲論』=『憲法・現代化論』が登場する。

まず、その代表的論者の一人である棟居快行教授をの意見を取り上げることができる棟居教授は東京大学卒・神戸大学北海道大学大阪大学教授を経て現在専修大学教授だ。讀賣新聞6/21の一面・二面に大きく載っている。しかし、この『憲法の現代化論』を一応紹介しただけで1260文字余りになる。これに反論(4000文字以上)を加えると、誰も読みたくない。だからここでは大雑な紹介に留める。


まず、棟居教授は《改憲》を二段階に分ける。
《第一段階》では技術的変更をする。裁判官に関する80条、二院制など。

《第二段階》で『日本国民の自己確認』としての全面改憲を行い、《新憲法の作定》をする。

「国家緊急権」もこの中に位置付ける。『国家緊急権』は『立憲体制を維持するために不可欠だ』という。その為に《保守もリベラルも歩み寄れ》と主張する。
 
この『憲法現代化論』はもっともらしい。人権の否定、天皇の元首化、国会の後退を露骨に示していない。しかも「国民主権」の体裁をとっている。「個人の尊重」、「国家緊急権の立憲化」などを主張している。
さらに憲法9条についても、自衛隊、安保法制は現行憲法に違反するが、改憲して現状を合憲化できるものにせよと考えている憲法研究者は、朝日新聞テレビ朝日のアンケートなどからも相当いるだろう。
憲法研究者の中で明確に『憲法の現代化』論に反対する人は、東京大学法科大学院教授石川健治氏など有力だが、必ずしも多数ではないだろう(と思う)。

旧「民主党」は実質的に「改憲政党」だと私は考えていた。今も実際は彼らは改憲憲法・現代化》路線の議員だろう。

憲法の『現代化』なら、公明党創価学会の人たちも乗ってくる。もともと創価学会婦人部・青年部は「平和愛好勢力」だった。しかし創価学会の内部者が法務省・検事、弁護士、国会議員防衛省自衛隊中枢、大企業中枢に入り込む中で、創価学会が社会的地位を得て、昔のように貧しく苦しい中に居なくなって平和愛勢力から離れていった。もちろん、中には初心を貫いておられる方もいる。しかし創価学会のその変貌ぶりは雑誌『第三文明』の変容を見ればよくわかる。その中枢部がどのような社会的勢力になっているかでよく分かる。

労働組合・「連合」などの「労組」(800万人の組合員)も乗ってくる、乗せられてくる。この計算が青山繁晴氏の参議院議員候補になっている。彼は労働組合・「連合」の初代会長・山岸章氏の知古を得て「連合」と親しいと述べている。自民党から立候補した青山繁晴氏は従来の日本会議・右派の色が薄まっているが、日本会議の一員だ。そして、労働組合・「連合」にもつながる。さらに、防衛省自衛隊日本海側の天然ガス掘削に関連し経済産業省とも繋がる。日本の独自化を進めるながら対米従属を強化しようとするグループだ。

このように《憲法・現代化論》と右派・国家主義勢力はかぶって協働している。また、財界の《憲法現代化論》も検討する必要がある。

思想的基盤としては、所謂《新自由主義》の人たちだ。一応個人主義を語る。しかしこの人たちの自由・個人は「自由に」儲かること、《弱者》になる「自由」だ。

私は、サラリーマン・勤労者、中小企業者、農民、無理矢理AV嬢、活用される女性、ニートと言われ自信喪失させられる青年層(最早、中年)、………。日本中の人が《総負け》になっている。

われらが敗北から自由になること、これが《改憲反対》・《現行憲法を守らせること》の意義だと私は思う。(明日以降も続けます)

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