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『空爆の歴史ー終わらない大量虐殺』(荒井信一著)を読み直す⑵

本文の前にご紹介 

 

【本文】

『どんな町や村にも戦争による死者のためのメモリアルが何千とある。

   しかし未来の戦争の危険を想い起こさせるものは一つもない。

   だから、自国政府に空爆を非合法化させるため、あらゆる国の平和愛好者は国を超えて団結しよう。

   私たちは、押しつぶされた肉体、はみ出した内臓、吹き飛ばされた頭、腕、足、なかば欠けた顔、血……このような人間の残骸が大地を汚すことを許すことはできない。

   私たちは、男、女、子ども、動物の無慈悲な殺戮に反対する。』    

 

この発言は、1936年5月、世界最初の「空爆反対記念碑」が建立されるに際してなされたものだ。

そしてこの記念碑を発案し、敷地を提供したのは、シルヴィア・バンクハーストという人だ。The Sylvia Pankhurst Memorial Committee。シルヴィア・パンクハースト記念委員会のHPがここから見られる。イギリスの反戦活動の一部がわかる。

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空爆反対記念碑》

1932年ジュネーヴ軍縮会議が開かれている。ジュネーヴ軍縮会議で、空軍問題に関して「一般市民に対する一切の空襲を禁止する」という提案がなされた。しかしイギリスのスタンレイ・ボールドウィン前首相(当時)はこの提案に対してこう応えた。

『爆撃機はいつでも飛び立つだろう。唯一の防御は攻撃だ。あなたが自分を救おうとするなら、敵より多くの女・子どもをもっと素早く殺さなければならない。』

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Redbridge Trades Council: Sylvia Pankhurst Anti-Air War Memorial in Woodford Green refurbished

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 空爆『問題』/『空戦』(航空機を使った戦争行為)について考えると、《面白いこと》がわかる。空爆を実際にやってみた「成果・失敗」を教訓化する。そしてこんどは「いいとこ取り」を企み実践(=実戦化)する。その為にマニュアル化を図る。空爆に慣れてくる。フランス、英国、ドイツ、アメリカ、ゲルニカ満州……。トウキョウ。ヒロシマベトナム。…………。 住民が逃げ惑い抵抗する気力を失いかける。その中で支配を実行維持する。

 

  さて、《いま》に戻ろう。ある人たちは、日本軍はそんなに悪くない、『正統な歴史』を見よ、と言う。そして『人間の歴史』は『闘争の歴史』だという一般論にすり替えられる。挙句の果てに彼らは『歴史』を《偽造するな》と言う。

それだけではないない。反乱を起こした民衆には報復をする。日本政府のやり方だ。政府は沖縄県に対して県の行為の違法確認訴訟を提起する。

思想において、空爆の思想と同じだ。住民が逃げ惑い抵抗を止めさせようとするのは《空爆の目的》と同じだ。『空爆の思想』だ。


この状況の沖縄に対して政府は上記提訴をする。慰霊の日は終わった。参議院議員選挙も終わった。

toyokeizai.net

 

沖縄から貧困がなくならない本当の理由(1)対症療法 | 樋口耕太郎 | 沖縄タイムス+プラス

沖縄の子どもの貧困対策(沖縄県)

 

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空爆の歴史ー終わらない大量虐殺』目次

はじめに

第一章 20世紀の開幕と空爆の登場〜〜幻惑された植民地主義
1 「文明」と「未開」の距離―空爆への過大な期待

帝国主義の時代」と空爆/空想科学小説の中の空爆/日本と青島戦争/

幻 の中国空爆計画
2 空からの統治〜〜ターゲットにされる住民

空爆思想の原型〜〜ドゥエ・テーゼの誕生/イギリス・王立空軍(RAF)の独立

「空からの統治」と「懲罰作戦」/人種差別と階級差別

アメリカの空爆テーゼ〜〜ドゥエ理論とミチェル/選択爆撃論/

市民生活の破壊が空爆の目的
3 国際法の「例外」 《植民地と空からの毒ガス戦》

国際法の例外〜〜植民地戦争/最初の「空からの化学戦」

《スペイン軍とドイツ軍の協力》

 


第二章 「ファシズムの時代」と空爆―無差別爆撃を許す「文明世界」
1 「人道的な帝国」の非道とゲルニカ実験
2 中国民衆の「抗戦意思」への攻撃


第三章 総力戦の主役は空戦―骨抜きにされた軍事目標主義
1 空爆に賭けられた戦争のゆくえ
2 勝利のカギとしてのドイツ都市破壊
3 戦争の終結と勝利を急ぐ戦意爆撃


第四章 大量焼夷攻撃と原爆投下―「都市と人間を焼き尽くせ」
1 東京大空襲は、いつ決定されたか 
2 都市焼夷攻撃とアメリカの責任
3 原爆はなぜ投下されたか


第五章 民族の抵抗と空戦テクノロジー―「脱植民地化」時代の空爆
1 抹殺される空爆の記憶 
2 朝鮮戦争と核戦争の誘惑 
3 ベトナム戦争―多様化する空戦テクノロジー


第六章 「対テロ戦争」の影―世界の現実と空爆の規制
1 無差別爆撃への沈黙と規制への歩み
2 記憶の再生と慰霊の政治学
3 隠蔽され続ける一般住民の犠牲

あとがき