〈日本国憲法第1条〉国民主権、天皇の地位

日本国憲法第1条はどういう規定だろうか。

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日本国憲法 第1章天皇
第一条   天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

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この規定がまた注目を集めている。

憲法第1条が注目を集めている一つの大きな理由は平成天皇が「退位」したいという趣旨の発言をしているからだ。

もう一つ隠れた理由として「憲法改正」論者である安倍首相らが復古調の「憲法改正」を止め、「現実的」改正による国家体制の実質的な変更を図る過程で天皇ないし天皇制の利用方法を考えているからだ。

さて小中学の教科書ではこの憲法第1条は『国民主権(主権在民)』の規定として教えられている。

また『憲法の概説書』を見ても、「天皇」または「天皇制」は『国民主権の章』に組み入れられている。そして国民主権の文脈で「天皇」または「天皇制」について説明・解説されている。
例えば、芦部信喜教授の『憲法・新版』(岩波書店)の目次を見ると次のような構成になっている。

https://www.amazon.co.jp/憲法-第六版-芦部-信喜

《第1部 総論》
第1章 憲法立憲主義
第2章 日本憲法
第3章 国民主権の原理………………………………………………
日本国憲法の基本原理
国民主権
1主権の意味
2国民主権の意味
天皇
1国民主権天皇
2象徴天皇
3天皇の権能
4天皇の公的行為
5皇室経費
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第4章 平和主義の原理
憲法9条成立の経緯。二戦争の放棄。三戦力の不保持。四交戦権の否認。五安保体制
《第二部 基本的人権
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………………
という構成になっている。

このような構成は、京都大学佐藤幸治憲法』(青林書院)、東京大学教授・元最高裁判事の伊藤正己でも採用されている。さらにもう少し古く、宮沢俊義佐藤功らの『憲法』概説書でもこの構成は変わりない。

つまり私が何を言いたいかと言うと、憲法の論理の中では、天皇は《国民主権》の中にビルトインされているということだ。
憲法の論理の中では、統治のシステムの中に《天皇ないし天皇制》をどうビルトインして「穏やかに」「この国」統治していくか、その為に天皇をどう《国民主権》の観点から「使っていくか」ということが問題にされているし、されるべきだということだ。もちろん政治制度としての「天皇ないし天皇制廃止」も含めて検討すべきことだ。(この続きはまた。)

【付記】🌟🌟🌟🌟

なお、「平成天皇はイイ人、平和愛好者だ、天皇の人権は大事だ」という意見がある。

しかし政治制度としての天皇天皇制について無視した議論だ。天皇は個人ではない。システムだ。せめて美濃部の「天皇機関説」とその顛末を考えてからその議論はやって欲しい。

もう一度言うと、天皇はシステム、制度であって「個人」ではない。率直に言って、抑圧するシステムも問題だ。その抑圧をどう減らすかが問題だ。(憲法13条の規定の適用問題ではない。)

 この天皇の姿を忘れた議論は『亡国』の道❗️である。

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pikoameds.hatenablog.com

【 参考】


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