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東シナ海を『非軍事=平和の海』に~尖閣「問題」の本質は国境画定問題、軍事問題ではない。

  尖閣 「問題」 の「本質」について考えをまとめました。 尖閣「問題」は国境線確定問題であり「軍事問題」でないと考えます。そして東シナ海を『非軍事・平和の海』にする政策の一つを考えたいと思います。

 

 はじめに…………………………………………………………………………………

  拙稿の要旨は❶ポツダム宣言受諾・サンフランシスコ平和条約などから「尖閣」に日本国の国家主権は及ばない、日本国に尖閣の領有権はない。❷したがって「日本国」には尖閣「防衛」の根拠はない。❸そこを「守る」という国家行為一切は侵略準備行為・侵略行為だと評価されうる。❹中国とはまず、軍事的「信頼醸成措置」をとる。東シナ海を『平和の海』(非軍事の海)=軍用機・軍艦・潜水艦の航行・ミサイルの禁止地域にする。そのための交渉を中国とする。❺ただ日本支配層の軍拡路線と中国指導部の民族主義的資本主義拡大路線、米日支配層と韓国支配層との資本的・軍事的連携から見ると非常に困難を伴う。またこの方向を目指す政策主体・運動主体は極めて弱い。しかしそれでも東アジアの平和安定・日本支配層に反省・謝罪させ、日本人民の平和愛好・日本国憲法擁護・発展を目指すものとして意味があると考える。

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   確か雑誌『世界』や宇都宮徳馬軍縮問題研究所『軍縮』などでも『尖閣問題』は取り上げられていましたが、拙稿は、現時点でそれらも取り上げていないので、文献的な不十分さがあり、ここの文章は「メモ」です。この議論を本格的にするには、 相当研究検討が必要だと考えています。また運動としても容易ではありません。

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1、尖閣「問題」の本質は国境画定問題 (国境問題) です。 尖閣「問題」 は、「海上警備行動命令」 「公船」 「ミサイル」という『軍事問題』ではないと考えています。

(1)尖閣 「問題」 は、 国際法・法形式的にはポツダム宣言受諾・サンフランシスコ平和条約・日中平和条約の問題であり、大日本帝国の敗北の事実、ポツダム宣言受諾・サンフランシスコ条約の《論理》からすれば、「尖閣諸島」の 「領有権 」は日本にない、つまり「尖閣」には、日本国の国家主権は及ばないと考えます。
 現代の国際関係・領土問題・国家主権の範囲・国境問題は、第二次世界大戦の終結によつて規定されており、反植民地主義 ・ 反ファシズムに基づく国際的合意に従うものだと考えます。ただ日中平和条約では締結当時の諸条件のもと、 中国側はポツダム宣言に基づく主張を貢徹できず、 国境を確定しきれなかったものだと考えています。 つまり国交回復をする為には「尖閣」という「小さな問題」は「棚上げ」 されたのです。

  ご承知のとおり、当時中国サイドには、対米関係 (つまり世界資本主義との付き合い方) 、文革とその後遺症、対ソ関係、国内の貧困問題、「国際共産主義運動」の中での主導権争い、当然中共党内での指導権争いなど課題が山積していました。
   他方日本側も田中角栄自民党政権の時代、米日安保 ・ 対ソ連政策、国内の国民支配(公害、賃金、インフレ、エネルギー、大学 ・教育〉 など沢山の課題があったと思います。

  それらの課題・国際情勢も考慮して日中聞の国交を回復することが妥当だという判断が日本支配層・中共指導部の合意がなされたのだと考えます。そこには日本中国両国人民の利益に適うという 「大局的判断」 があったはずです。当然日本財界の積極的要求もありました。当然米国支配層の承認・要求があったのは、ベトナム戦争後、対ソ政策やキッシンジャーニクソンの行動から明らかです。

  当時いわゆる国際共産主義運動の一部及ぴ一部の国家主義的立場 (例えば自民党の灘尾や石原慎太郎など青嵐会などかなり多数) からの異論はあったものの、国境問題を「棚上げ」して国交正常化・日中平和条約締結は妥当なことだとされました。
  私は基本的にこれは適切だったし今も適切だと思っています。(ただし根本的な疑問は保留しておきます。いわゆるヤルタポツダム体制の評価などです)

  以上要するに、様々な国際的および両国の国内的な条件のもとで日中平和条約が締結され尖閣の領有権問題は 「棚上げ」 にされたのだと考えられます。
  ただ先にも言いましたが、ポツダム宣言サンフランシスコ条約の論理 ・ 趣旨からすると「尖閣諸島」には日本の国家主権が及ばず日本領土ではありません。このことは「我が国」が受諾したポツダム宣言サンフランシスコ条約という条約上、国際関係上決定されたことです。「我が国」が受諾したポツダム宣言などの論理からは議論の余地はありません。日本中枢サイドの主張する「尖閣日本領有論」は妄想であり、この見解・行動は『法の支配』『国際秩序』を破壊するものです。(もっとも彼ら日本支配層の大好きな「法の支配」「国際法秩序」は帝国主義の支配であり反人民的支配・抑圧・暴力であると申し添えます)。

  このように「尖閣」に日本国の国家主権が及ばない以上、その地域の『防衛』を「日本国」が語ること自体、笑止千万です。けだし論理的に言えば、日本国が「尖閣」を『防衛』するということは他国領海・領土に入り込むということであり、侵略(準備)行為であり、中国「公船」に銃撃・「殲滅」されても仕方がないことです。したがって況や水陸両用車、ミサイル設置は、日本サイドによる侵略行為、侵略準備行為だと言えます。(ただし石垣島への陸自駐屯自体は別の考慮が必要。)
  その意味で中国政府が「尖閣」に自国の主権・領有権が及ぶと主張していることは正当で、「公船」を「派遣」することは適法な国家行為だと言えます。
  以上が「私の考える正当な」「国際秩序」「条約」の理解です。おそらく日本外務省はこの筋が「正しい」ものだということは承知だろうと思います。だから1972年日中国交回復・平和条約締結から40年程、日本外務省・防衛庁(省)は石原慎太郎〈都知事〉の「尖閣購入」 騒ぎが起こされるまで静かにしてい表立った行動をしていなかったのだろうと推測します。

(2) また日本国憲法の法規範性、理論と論理 (趣旨) からも 「尖閣防衛」はありえません。

(3) さらに世界史における反ファシズム・反植民地主義という観点からも 「尖閣防衛」 を認めるべきではありません。


2、 現在、日本には「尖閣の空騒ぎ」 を持ち出さざるを得ない民族主義的 ・ナシヨナリズム状況 (国内2Ch・ネツ卜などに作り出された産経新聞国家主義、 読売新聞的対米従属・官僚統制) 、個別の米日軍事産業動向、日本資本主義の現状・限界さらに世界の資本主義の現状・限界の問題から「尖閣」があると思っています。 日米軍事同盟も資本主義の命運の問題と関連していると考えています。
 また、 「騒ぎ」 の規模は違いますが 1980年ころの中曽根・レーガン政権当時の 「反ソキャンペ一ン」 「北方領土・問題」と似ていると思います。

3、 視点を変えます。
 米国は国境問題は関与しないというのが公式の態度です。なぜならポツダム宣言サンフランシスコ条約で一定の世界の 「安定」 を図り自己の権益を確保したので、 その権益は動かしたくないからです。
 同時に米国は資本主義的 「発展」 を維持するためには日本を使って対中・権益支配権を確保する必要から米国は国境問題には関与しないが、「尖閣は日本の施政権に関するものである」し、日米安保条約は「日本と極東の平和・安全の維持」が目的である以上、 日米安保条約の「適用」があり、尖閣問題にその意味で関与していくという立場です。つまり米国は、「日本国・中国間の国境問題」はどちらでもでもいい(正確には中国の主張を認めるが)、軍事介入の根拠があるから、介入するというものです。

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4、 他方中国サイドはどうなっているか。
一言で言えば、中国は 正当な主張をしていると考えます。
同時に中共指導部は「対曰力一ド」を使っていると私は評価しています。
中国共産党指導部のなかで対立があり習近平派が指導権を握るため、 尖閣問題を利用している」という見方です。毎日新聞特派員もそのようなニュースを流しています。たぷんこの見方は一定程度正しいと思います。

  1979年の中越紛争は、国境問題が元で中国とベ卜ナムの間で軍事衝突が起こりました。
この中越軍事紛争は中国 (中共指導部) の民族主義中華思想毛沢東流のマルクス主義覇権主義的考え方が合体して 「社会主義」中国がベ卜ナムに戦争を仕掛けたというのが私の理解です。 中国共産党共産党が生まれてからずっと民族主義的色彩思想と行動をとっている、 人民の生活と戦争防止、民族的利益を擁護していると私は考えています。 確かに日帝支配、 英米仏の侵略に直面して共には大いに気の毒なところがあります。 しかしそれを克服して欲しいというのが私の偽らざる気持ちです。 たぷん (絶対ということはないのでしようが) 希望はなかなか実現しないでしよう。

5、 日本支配層・中枢は冷静です。なぜなら彼ら日本支配層は本気で「武力行使」「戦争行為」をする意思がないと思えるからです。本気でやったら 「大変なことになる」 ということは彼ら帝国主義者はよく知っているからです。彼らは対米利益やアジア支配、国内での国民支配 (イデオ口ギ一、労働者支配) 、個別軍事産業、電機産業航空機・自勤車産業企業の利益を図るため 「だけ」 に煽っている。 本気で対中 「喧嘩」する気がない。儲けがすべてに優先します。

6、日本人・人民はどうすペきか。 財界を含む日本人はどうすベきか。 被抑圧人民はどう対応すベきか。
  ⑴ 現時点ではっきりしていることは、 朝日新聞毎日新聞日本共産党尖閣諸島は日本の領土だ、 主権が及ぷと言っています。 ですから彼らの論理では、論理的には、自衛隊を派遣しミサイルで防衛することは国際法上何ら問題はありません。 尖閣に「侵入」した中国公船を非難することに何らの躊躇もありません。 なぜなら朝日新聞毎日新聞赤旗新聞からすれば、日本領海・主権が及ぶ海域・地域に中国が「侵入」しており、それは許容できないのです。


  しかしその考え方はポツダム宣言サンフランシスコ平和条約など国際法の立場から明確に間違いです。 再言しますが、そもそも「尖閣」とその海域は日本国の主権が及ぶ地域ではありません。

  ⑵ そこで次のようなプロセスが必要です。まず日本政府(防衛省・外務省)は中国政府 ・人民解放軍との間で 軍事的「信頼関係成措置」 をとれということです。実は現在も一定の措置は行われています(例えば防衛研究所中国軍との交流があります。)。「全ての兵引け」。さらに国境問題では日本が尖閣に中国の主権がぷことを確認・承認すするが、東シナ海においては「平和の海」として軍艦・潜水艦・ミサイル持ち込みなどの軍事的措置段階的禁止・全面禁止、台湾海峡も中国国内民族問題として解決する、という方向を打ち出す。
  ⑶ 当然このプロセスの中では日米安保のあり方の変更が政策課題に上がってくることになります。日本総体の政策変更が必要です。このプロセスを推し進める勢力(主体)を形成強化する党派性が必要です。中共の政策・資本主義路線の見なおしなども上がってくる筈です。その意味では東アジアの全面的な組み直し、「決意」が必要です。この様な政策を打ち立て実現する日本の個人・グループの出現を強く期待しています。(以上)