〈日本人論〉第1回「日本人」とは誰か、なにか

  「日本人はなぜ日本人論が好きなのか」という問いがあります。この問いが「面白い」のは、この問い自体が一種の「日本人論」だからです。
「日本人論」というのは、あらかじめ「日本人」という類型を設定しておいて、その類型に属するヒトの性質・特徴・歴史について議論するというものです。
  私はこの手の「日本人論」が嫌いです。というより、「日本人論」がとても苦手です。

  私は、「自分は純粋な日本人だ」とか「生まれながらの日本人だ」という話を聞いたり、読んだりするのが苦痛です。ですからこのような議論や文章は避けてきました。しかしヒトと話したり他人の文章を読んでいると、このような話・文章から逃げられません。やむなく話さざるを得ない、読まざるを得ないものの中にこのような議論の立て方をしているものがあると、仕方なくつき合わされます。
 また学ぶことがあると思われる文章・議論だと思って付き合っていると、最後に突然「私は生まれながらの日本人だ。だから……だ。」というようなまとめ方をされると、それまでの議論筋立てはなんであったのかと思いがっかりして徒労感だけが残ります。なまじそれまでの話が面白かったり学ぶところが多かったのに、突然「日本人論」で片づけられると徒労感だけでなくウンザリして、この人が書いたものは二度と読まないと「決意」させられます。

 さて、それにしても《典型的な》「日本人論」の本としては、最近出た渡部昇一『決定版 日本人論~日本人だけが持つ「強み」とは何か?~』(扶桑社新書)という本があります。決定版-日本人論~日本人だけがもつ「強み」とは何か-扶桑社新書-渡部-昇一

 私も暇ではないので、この本を本屋さんで手に取る気にもなりません。もしどなたかお読みになったら教えてください。笑。

 

 船曳建夫『日本人論』再考(2002年)という本が出版されています。
  この本はもともとはNHK人間講座(教育TV )で放送されたものの放送の原稿になったものです。

  つぎのように紹介されています。
「明治以降、夥しい数の日本人論が刊行されてきた。『武士道』『菊と刀』『甘えの「構造」』などの本はなぜ書かれ、読まれそして好評を博すのか。そこには、私たちを繰り返し襲う「不安」がある。欧米文明に遭遇し戸惑う近代日本人のアイデンティティの不安の在処を抉り出す。本書は、日本人論の総決算であり、150年間の近代日本の物語でもある。」

 Amazon 「日本人論」再考 (NHK人間講座)

 

今日は取りあえずこれまでです。
九州地方・奄美大島では、台風12号の影響で雨風が強くなるようです。云っても詮無いですが、くれぐれもお気をつけて。花は大丈夫ですか。お家と人の命とが大丈夫であるようにただ願います。

 

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 以下、渡部昇一氏が関与している書籍です。ご参考までに。