《南スーダン、自衛隊撤収》北岡伸一国際協力機構理事長の見解への批判

「《南スーダンPKO》 積極的平和主義 更に前へ」というJICA(国際協力機構)理事長・北岡伸一の論稿が「讀賣新聞」一面・二面(4月16日(日))に掲載されています(字数2770字)。今日は上記北岡の論稿を検討します。

 
まず北岡伸一の主張を確認しておきたい。
北岡は次のような感想を冒頭で述べている。
国連南スーダン派遣団(UNMISS)から自衛隊が撤収することになった。ちょっと残念ではあるが、しかし、これで良かったような気もする。」
北岡が「ちょっと残念だ」というのは「日本の平和貢献は大きくないから平和主義という仮面をかぶったエゴイズムだと、他国には映」ってしまう点だそうだ。

他方「しかしこれでよかったような気もする」と北岡が言うのは「事故でもあれば、今後のPKOは難しくなるから、今のうちに引き揚げる判断は悪くない。」というものだ。

結論として、

【積極的平和主義、更に一歩前へ!】

と言う。

----✴︎✴︎----✴︎✴︎--------✴︎✴︎--------✴︎✴︎----
北岡伸一は一方で、彼の考える「国際社会」にどう映るかという不安を抱き、他方国内で「国民・有権者」の「眼」を気にする「常識的」支配者層の判断がある。何という鵺だろうか。そして「常識人」だ。国民アジアの諸人民の眼を気にする。

 北岡伸一は1948年生まれ。東京大学教授・国連大使などを経て第1次安倍内閣から外務省主流など日本支配層の外交ブレーンである。北岡伸一は2013年12月、「安保・防衛力に関する政府懇談会」において「積極的平和主義」なるレトリックを使って「日本外交」の在り方の変更を積極的に推進してきた。

日本は1945年8月、第2次世界戦争において、アジア諸民族の抵抗を受けソ連邦を含む勢力に負け、敗戦帝国主義となった。その結果、日本支配層は、国内の支配の在り方の変更を迫られ、天皇天皇制官僚、地主、資本家中心の支配体制の変更を余儀なくされた。戦後、敗戦帝国主義日本の《民主・平和》は、米国中心の世界秩序、戦後資本家階級の秩序ではあっても、民衆・人民サイドにとって大きなメリットをもたらしたと私は考えている。このようなあり方に対して日本財界・外務省など日本支配層の主流派は不満を抱きながらも、自分たちの陣地=経済的利益の拡大、アジアでの支配の拡大を目指し外交的=軍事的拡大を目指してきたし、彼らからするなら一定程度以上の大きな「成果」が上がっていると思われる。

そのような戦後の流れの中において北岡伸一の役割は重要だろう。一方で自立帝国主義路線を目論んだ中曽根内閣や第一次安倍内閣のような轍を踏まず、ソ連なきあとも、対米従属を利用しつつ日本の「権益」を維持しようという財界中枢・外務省主流派やさらに讀賣新聞などの意向を反映した北岡伸一の論稿は興味深いものがある。

私の中では北岡伸一はこの様な位置づけにある。このような北岡的なものの後継者はそれなりに多くいる。今後も検討し実践的にも、その後継者の路線の反人民的、反労働者的な側面を明らかにしていきたい。

f:id:pikoameds:20170417033512j:image

《茂みを別けて行こう》

f:id:pikoameds:20170417033547j:image

f:id:pikoameds:20170417033555j:image