日本国憲法前文 (第3回) 第2段 「平和のうちに生きる権利」

こんばんは。

日本国憲法前文の翻訳も半ばまできました。

昨日の検討で、日本国憲法前文において、社会契約論が明文で規定されていることが確認できました。

一緒に訳してくださっているq52464さんはこう言っておられます。

 

governmentは行政やら政府やらを指すという事で良いと思うのですが、それが人民から信託されたものであるという概念が社会契約的な概念なのだと思います。

そしてこの概念が、憲法より上位にあると明記されている事は興味深い事です。この概念が憲法より上位にある事が現行憲法で規定されているので、現行憲法の枠組みに従う限り、例えば独裁者を認めるような憲法改変は論理的に許されない事になっているのですね。   (太字・アンダーラインは筆者)

 

この点については憲法の概説書でも述べられています。しかし憲法明文がどうなっているかという関連で解り難い。ところが今回この点がはっきりしました。とても有益でした。

またq52464さんの訳の仕方は適切でした。英文の構造を解りやすく押さえていますし、憲法自身が憲法の上位規範の存在を確認し、憲法自身がその規範に縛られるということが訳文示されているからです。

 

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では、今日の課題に移りましょう。

以下の日本国憲法英文前文第2段を日本語に訳せ。
We, the Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world. We desire to occupy an honored place in an international society striving for the preservation of peace, and the banishment of tyranny and slavery, oppression and intolerance for all time from the earth. We recognize that all peoples of the world have the right to live in peace, free from fear and want.


この第2段は、英語の構文の面では第1段に比較すると、易しいです。

しかし第1次世界大戦の悲惨さ(特にヨーロッパ戦線)、第2次世界大戦で使われた原子爆弾の人類に対する脅威を踏まえ、新しい世界秩序・国際関係、平和と共存をどう作りだすか、そのような意識が始め、当時既にあったとわたしは判断しています。

それを踏まえるなら、それに相応しい訳語を当てる必要があると思います。他方、文言からあまり離れたくない。現行憲法の文言に拘らず1945年8月から翌年2月頃GHQ民生局の意志、侵害されたアジアの人たち、日本の人たちの気持ちを踏まえて訳文を作りたい。それでいて、「安っぽい平和が大事」みたいなお説教でないものにしたい。

もしq52464さんが別の判断なら、そういう方向で検討してみて下さい。

平和のうちに生きる権利という権利が星野安三郎教授によって提起されています。この権利は憲法前文第2段第3文を明文上の根拠としています。
この権利主張については、改めて議論するつもりです。よろしくお願いします。

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