内田樹「平成を代表する人物を選ぶなら、やはり先帝(上皇)ご夫妻」

他者の思索の表現を批判し批判的克服をするのであればそれ相当の覚悟準備が必要だと僕は思っている。

その準備が十分できていないのに書き散らかすのは困ったものだと思う。だが今日は記事が消える前にどうしても言っておく。俎上に乗せる準備として内田樹氏のインタビュー記事(神戸新聞)を載せておく。削除されるだろうから、ここに転載しておく。著作権上の問題があるならお知らせ下さい。

 

「先帝」を持ち上げるご発言に心中苦い。こういう類の発言をされるインテリは結構おられる。反安倍ファシズムを主張する方の中にも多い。内田氏がお書きの天皇論(例えば、「天皇主義者宣言」)で既に以下の文章の帰結は想像できるが、果たしてそれでいいのだろうか。近代主義とその克服のされ方、それらの思考に辟易する。うんざりだ。近代主義を克服しきれない残滓がここにある。だから僕は取り上げておく。

なおまた憲法6条7条で三行為説を取ってはいけないと僕は考えている。下のインタビューからも三行為説が適当でないことがわかる。

 

以下は神戸新聞のwebからです。

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-象徴天皇の在り方への関心が高まっている。
 「平成を代表する人物を選ぶなら、やはり先帝(上皇)ご夫妻にな ると思う。昭和が終わった時に同じ質問をしたら、長嶋茂雄とか、 美空ひばりとか、石原裕次郎とかいう名前を挙げる人がいただろう 。それだけこの30年間で天皇の存在感が増したということだろう 」
 「グローバル化が進む中で、道徳的な価値が顧みられなくなった。 愛国心や家族愛を言い立てる政治指導者たち自身の道徳的な劣化が 際立つ中で、道徳的な潔癖さを人格的に体現されたのがご夫妻だっ た。天皇制が国民的支持を得て存続するためには、天皇は政治的権 威でも、審美的権威でもなく、道徳的な潔癖さを体現する存在でな ければならないということを考えられたのだと思う」
慰霊と慰謝
 -国民が特に共感した点は。
 「2016年の退位に関する『お言葉』で示された『象徴的行為』 論だ。象徴天皇の重要な仕事として、先の戦争で亡くなられた人た ちの慰霊と、苦しむ同胞たちへの慰謝の2点を挙げられた。実際に かつての戦地に赴き、日本兵だけでなく、現地市民、米兵も含めて すべての戦没者のために祈られた。また、災害の被災者だけでなく 、ハンセン病患者など社会から排除されてきた弱者にも行き届いた 目配りをされた」
 -内田さん自身は。
 「東日本大震災後に出された先帝の心情あふれるメッセージと首相の官僚的作文を読み比べた時、私自身の天皇制に対する評価は大き く変わったように思う。その後、激戦地ペリリュー島への慰霊の旅東日本大震災の被災地で膝をつかれて被災者に寄り添うご夫妻の 姿を見た時に、天皇制の意義について目が開かれた」
 「それまでは、天皇制の存否についての国民的議論はあって当然だ と思っていた。しかし、平成の30年の間に、近代的な立憲デモク ラシーと太古的な天皇制という二つの政治原理は、 何とか整合させられるのではないかと考えるようになった。どちら かに片付けてすっきりするより、立憲デモクラシーと天皇制という 全く原理の異なるシステムを、どうすれば折り合いをつけ、共生さ せられるかについて知恵を絞る方が、国民の市民的成熟には資する のではないか」
陛下も継承へ
 -秋篠宮さまが皇位継承に伴う重要祭祀(さいし)を巡り、政府の 決めた国費支出に疑問を示された点については。
 「良識的な発言だと思う。天皇の威信を担保するのは、華美な儀礼 ではなく、かたちにならない精神的なものであるべきだという皇室 からのメッセージだったと思う」
 -戦後生まれの陛下に対する期待は。
 「戦後の昭和天皇と先帝は親子2代で象徴天皇制をゼロから制度設計された。それが今は国民の圧倒的多数によって支持されている。 新帝(天皇陛下)もこのシステムをそのまま継承されると思う。先 帝はしばらくは相談役として、引き継ぎに段差が生じないようにア ドバイスされるかたちになるのではないか」
(聞き手・段 貴則)

www.kobe-np.co.jp

🌃内田が言う、天皇の「ペリリュー島への旅」の意義については以下を見られたい。

pikoameds.hatenablog.com

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